幽霊の話


 
 今日は、幽霊の話をしたいと思う。そう、あのどろどろ、バーン、の幽霊である。

 さて、幽霊といっても、一体何について話すのだろうか?ちなみに、幽霊なんて科学的に証明できないのだから、そんなものはいないのだ!なんて、そんなことを言うのは野暮の骨頂というものだろう。よって、ここではそんな堅苦しい話はしない。

 幽霊であるが、実は、私は大の幽霊嫌いなのである。大きい、と書いて「だい」と読む、あの幽霊嫌いなのである。ホラー映画を見たその晩には、一人でトイレにも行けない、というくらい、幽霊嫌いなのである。

 部屋の隅においてあったビニール袋が、部屋が暗かったせいでなぜかライオンに見えてきて、その場所から一歩も動けなくなったり、電信柱がなぜか鶏に見えて、とても恐かったりと、私の幽霊嫌いは至るとところでその効力を発揮してくれている。

 幽霊を見た!という人は、ぞくぞくとあとを絶たないが、その幽霊もこんな勘違いなのではないか、などということも、やはり野暮の骨頂ということで、ここでは言わない。見た、という人がいるのだから、それは確かにいるのだろう。そこに、新しい生命体として存在しているのかもしれない。でも、そんなことはどうでもいい。ここでは、そんな話がしたいのではないのだから。

 心霊写真とか、幽霊の声が聞こえる、とか、そういった類の情報は、たくさんある。心霊写真は、何だか胡散臭いから信じないが、何を隠そう、私は幽霊の声が聞こえるCDで、その幽霊の声を、実際に耳にしたことがあるのだ!

 あれは、まだ私が中学二年生だった頃(ああ、懐かしい)、英語のMr..K先生(みすったKと呼ばれていた)が突然幽霊の声が聞こえるCDとか言って、授業中に流し始めたのだ。

 生徒は、彼の持ってきたラジカセに群がって群がって、実に大変なことになった。先生は、「ここが件の場所なんだがな・・・」と言いながら、聞こえない人のために何度も流した。私も例に洩れず幽霊の声が聞こえなかったので、何度も聞いた。だが、一向に幽霊の声らしきものは聞こえてこない。

 ここで、少し補足をしておくと、その幽霊さんは、好きなアーティストがいたらしい。そして、その人たちのコンサートに行く途中に、車に撥ね飛ばされ、他界。そして、はた迷惑なことに、そのCDに取り憑いて、自分の未練をたらたらと叫び続けるらしい。(その声のせいで、そのCDは反響を呼び、売れ筋はよかったらしい。これも怪我の功名ならぬ、幽霊の巧妙、という奴であろうか)

 さて、件のCDだが、何度か流されているうちにまどろっこしくなって、私はスピーカーに耳を押し付けて、聞いた。ええ、聞きましたとも。聞きましたけれど、何か?

 すると、あらまあ不思議、今までうんともすんとも聞こえなかった幽霊の声が、耳にすんなりと入ってきたではないか。

 車が、どこかに衝突した音の後に、女の人の声で・・・「私も聞きたかった・・・」
 ・・・・・・

 ああ、なんていうか、第一印象は、ああ、なんてこの女の人は早口なんだろうか、ということだった。自分の未練を語るくらいなのだから、もう少しゆっくり話してくれても良いのではないか。これでは、わくわくして聞いていた私が馬鹿みたいだ。

 そして、最近ふと思い出してみたのだけれど、この幽霊、本当に本当にコンサートを聞きたかったのだろうか?まるでこの幽霊の口調では、

「私も聞きたかった・・・(でも、もう死んじゃったから諦める)」

 みたいなニュアンスが込められているような気がする。おい、どういうことだ?これは。幽霊なら、ここはせめて、

「私も聞きたかったのに・・・呪ってやる

 ぐらいは言ってもらわないと、世間様に顔向けができないではないか。

 おおっと、そんなくだらないことをたらたらと書いていたら、意外と分量が稼げたので今日はここまで。
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by sinsekaiheto | 2007-01-21 15:34 | 小ネタ・~の話系